#dynamic_Nagasaki

Dynamic Nagasakiを見つめ直します。現在おっさんが意味なくちゃんぽん食べ歩いています。

平戸藩松浦家御用菓子司 蔦屋 平戸

九州で最古の菓子屋(?)

創業文亀2年(1502年)の九州でも最古と言われる菓子屋が平戸にはある。平戸は陸続きでは九州の最西端に位置する南北に細長い島であり、16世紀にはフィランドとしてヨーロッパで知られた、歴史とロマンの島でもある。歴史とロマンのまち、長崎というけれど、長崎市には、昭和と土建くらいしか残っていないが、ここ平戸には、その両方がまだ見えるように思う。

戦国時代から安土桃山の頃までは、国際貿易港として、オランダやイギリスの商館が置かれていた。その後も、平戸松浦藩として、長崎県の県北を治めており、平戸島、五島の一部、壱岐佐世保市北松浦半島までを含む地域であったが、稲作に適した土地は少なく、藩の運営が大変だった話が各所に残る。江戸時代にはオランダなどのヨーロッパ方面や清国などの東アジアの大陸方面への窓口であった長崎との近さも利してか、海外関係資料を大量に収蔵し、楽歳堂(寛政元年 1789年)には17529冊もの図書が収蔵されていたという。財政は苦しくとも、学問を培って行こうとしていたのだろう。

天保12年、第35代松浦熈は平戸城下の蔦屋と境屋に命じて、百種類の菓子作りを命じており、菓名と製法を記したものが「百菓の図元本」として編纂され、今でも当時の復刻菓子が城下ではみられる。生菓子が多く、長崎県内でもごく一部の地域でのみみられる菓子が多い。また、江戸時代には各藩ごとに茶の流派が勃興した時代でもあり、武家茶として、今も各城下町でみられることがあるが、平戸松浦藩では、茶道鎮信流として、現代まで受け継がれているという。

平戸松浦家の御用菓子司としての伝統とイノベーションの舞台でもあったのが、蔦屋である。有名な菓子としては牛蒡餅カスドースが挙げられるが、カステラやどら焼きなどまで幅広く楽しめる。

街中に安針の館、三浦安針(William Adams)の住まい跡として残る建物で現在は営業している。昔ながらの商いをする町屋で中には喫茶スペースもあるため、街歩きの休憩には良さそうである。

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蔦屋外観

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店内様子

現代的なディスプレイで、菓子が並べられ、また一つの値段をみても、気軽に手に取れるのが嬉しい。

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ディスプレイ

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調理スペース

喫茶スペースで菓子をいただく

ANJIN、一口大のカステラを酒のシロップで漬け込んだという菓子を求め、御座敷でゆっくりと。コーヒーはサーバーが置かれており、セルフサービスとなるが、日本の間取りと畳の匂いを感じながら、南蛮由来の製法の菓子を味わえる。これぞ歴史とロマンなのかもしれない。

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蔦屋のカフェスペース

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コーヒーとともに菓子をいただける

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店内には菓子の型が展示されている

 店情報

2017年の平戸のプロジェクトで、「お菓子の島 平戸」と名付けられ、オランダのクリエーターと平戸の菓子職人のコラボレーションで生まれたという企画があった。こちらはお取り寄せになるようで、ぜひ、一度、全てを味わってみたいように思う。

www.sweethirado.com

文明のあかつきの空
誰が吹くや開花の角笛
南風をまろく帆にうけ
はるけくもオランダ船ぞ
いえろっぱいまだ知らずも
この皿のこの妖しさよ
甘美にも優雅な香り
伝え来し つたやカスドース
  藤浦 洸

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