子供たちにとっての古き良きサセホ文化(仮)
当ブログでは、佐世保の洋食文化・洋酒文化をあわせて、サセホ文化(仮)として扱ってきた。エビフライ、ハンバーグ、ステーキといった、洋食の定番は蜂の家やデパート玉屋の食堂、ポルトの食堂、白ばらでも見かけられ、自宅での調理など珍しかっただろう頃に、ふんだんに見られた。パフェやプリンアラモードなども定番であった。長崎市内での洋食事情が現在の五十代の人たちの幼少期(1970年代後半)でもこのような内容ではなかったようで、佐世保の異色さが際立つ。
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白ばらは昭和21年(1946年)創業の老舗洋食レストランである。七十代前半の佐世保の人たちならば、お馴染みのスポットである。叔母は通知表が出る学期末にはパフェと洋食を食べに連れて行ってもらっていたというほどであるから、当時の小学生にとっては、蜂の家やデパート玉屋の食堂、ポルトの食堂と並んで、非日常を楽しめる空間であったはずだ。
2013年にサンクル2番館に移転リニューアルしたが、店頭の電灯の灯る看板だけは持ってきたようで、ゴブレット様の携帯に白ばらと四色で彩られた、昭和の香りの漂うものは再開発のあったエリアで今日も灯っている。かつては四ヶ町側に位置し、一階に洋菓子店、二階に喫茶・レストランスペースを有しており、大規模な店舗であった。
なんでもボリュームたっぷりの昭和の洋食屋 白ばら
名物はと言われると、なんであったかを思い出すのに苦労するのだが、トルコライスが始まったのは、この10年ほどではないだろうか。佐世保の人はトルコライスなどを喜んで食べるものではなかったのである。牡蠣のシーズンになると出回るカキフライなどはどこへ行っても食べられるもので、九十九島の小ぶりの牡蠣を家庭的な情緒で揚げたものを市内の洋食屋ではよく見かけたものである。
有頭えびのエビフライにハンバーグの定食としたが、とにかく量が昭和のレベルである。きちんとコース仕立てでダイナーのように、アメリカの軍関係者でも十分に満足できるような量を提供する店舗が多いのも佐世保の洋食文化の特色であろう。
店情報
プリンアラモードなど、昭和の喫茶店に必須のアイテムもあり、何よりデザートメニュウが戦後の創業時から引き継がれているのが大変興味深い。
- 住所:佐世保市栄町5−9
- 電話番号:0956224619
- 営業時間:11:00 - 20:00
- 定休日:火曜日
- 支払い:QRコード決済、現金