#dynamic_Nagasaki

Dynamic Nagasakiを見つめ直します。現在おっさんが意味なくちゃんぽん食べ歩いています。

四季のながさき 狂乱のモモカステラ

西の果ての桃の節句

桃の節句が近づくと、長崎市内の一部モモカステラ専門店などは世にも奇妙なことが起こるのである。SDGsなどという奇妙なものが流行る中でも、女児の健やかな成長を願う祭りは執り行われ、ひな祭り、桃の節句として今後も続いていくのだろう。

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佐世保 松月堂のモモカステラ

他の節句ごとのように、桃の節句は大陸から渡ってきた習慣で、同じ奇数(陽)の数字が重なる、桃の節句端午の節句重陽節句が暦に残る。桃の節句と呼ばれるのは、旧暦のこの頃に咲く桃の花に因み、孫悟空の桃園にあるように、不老不死の果実として珍重されたこともあるだろう。長崎市内では桃や蝙蝠と言った大陸の縁起物のモチーフが繰り返し見られることがあり、オランダ文化よりも大陸文化の方が珍重された名残りが見られる。

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松月堂の桃カステラ

モカステラ、桃カステラ、略してモモカ

さてカステラはあまりにも有名な「ながさきの銘菓」であり、これが長崎県の銘菓であるが、長崎市下での生産者が減少しており、長崎市の地域に根ざした菓子ではなくなりつつある現状をカステラの記事として公開した。桃カステラ長崎市内ではいくつかの菓子屋に収束しつつある。

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桃カステラのディスプレイ 佐世保 松月堂にて

桃カステラは焼いたカステラの上にすり蜜(フォンダン)を載せて、桃の形をかたどり、着色した菓子である。カステラの生地と甘い上の砂糖菓子の部分のコンビネーションを楽しむ、極めて「長崎が近い」、ドながさきな菓子である。これに類似するもので、魚のすり身で桃をかたどったものも見られる。

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一月中旬には桃カステラの受付・販売がスタートする 松翁軒桃カステラの広告

長崎においても、桃カステラを食べ比べることが出来ることはまずなく、余程の物好きな学究肌の人々か、正気の沙汰ではない菓子研究家などでない限りは、一度もやることはないのであろう。しかし、甘いものの学者が転じて、甘党の中の甘党、キモ甘党の総統に就任したものがあり、キタノクニに住んでいながら、毎年これを実践している。

 

長崎市下でのモモカス狂乱 万月堂

長崎市のまちのひとびとというのは、保守、見栄っ張り、郷土愛、無計画で生きている。地元での定番や人気店であることは贈り物として必須なのであるが、これは同時にかつてのバレンタイン商戦のチョコレートの需給並みに、モモカスの需給の大きな変動を年間でも産む。つまり少子高齢化の昨今ではあるが、一年のうち1月から2月の需要過多、供給不足を生み、それ以外の時期には閑古鳥が鳴くような店がある。ここに加えて贈答菓子から、季節の菓子として定着しているため、年齢層を問わず、需要が発生する事態となり、入手困難となる店も出てくる。

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白水堂の店頭 チョコベースの桃カステラも存在するらしい

万月堂は、愛宕エリア、思案橋から茂木を目指して田上に上がっていく途中に小さな店舗で営業していた。元々は伊良林に1961年に創業し、これが本河内に移り、さらに愛宕に移ったという経歴がある。2019年満を辞したのか、鍛冶屋町に支店を出し、桃の節句前のシーズンには大繁盛となっている様を見ることができるようになった。

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万月堂の鍛冶屋町店

桃の節句が近づく頃、店は各顧客からの予約注文を袋詰めしたピンクの大型のビニルの袋で溢れかえっている。発送の注文の連絡、在庫の問い合わせの連絡など電話がひっきりなしに鳴って、ただでさえもあまり愛想の良くない店員さんたちは低血糖にでもなったようにさらに機嫌が悪い。そこに追い討ちをかけているのが、張り紙を読まない客で、3月3日が近づくと店頭に、「桃カステラ、お一人様一つまで」が貼り出され、いじましく居座ればもっと分けてくれるだろうと構えるもの出る始末で、地の果てのモモカスドラマが繰り広げられる。大抵は無計画に生きている西の果ての人々である。

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ぼうっと浮かび上がるショーケース

1月中旬には電話連絡で、個数と受け取り日時を指定するだけで良いのである。長崎市内観光で桃カステラをというものは、十全な予定とプランニングをお願いしたい。老舗である岩永梅寿軒に至っては通常のカステラ生産(もともと受注生産、余剰分を店頭販売)を絞ってモモカス生産に移ることもある。

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岩永梅寿軒の店頭
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