大浦地区の中華料理店
大浦地区は新しい町である。江戸時代の頃には、出島道路の出口あたりで、長崎の旧市街との繋がりは細くなり、電車通りとなっている国道499線あたりまでが当時の海岸線であったという。その先の、大浦川の川沿いエリアが、元々の大浦地区であり、長崎市各所で10月になると開かれるくんちも、大浦地区では大浦諏訪神社の秋の祭りであり、石橋電停に御旅所ができる。毎年、座布団を重ねたような神輿を放り上げるコッコデショを子供達が練習するのを、元々は大浦エリアの沖合であった、水辺の森公園で見かけることができる。行政上の区分では南山手東山手地区などと気取った呼び方をするのが、DJNらしいのだが、まちの人々は大浦と呼ぶか、小学校や中学校の校区名で地区を呼ぶ。
大浦地区は行政面でも独立した一つの区画として認識されており、田上方面へ急峻な坂を上がっていく、その入り口の街である。そのため、独自に市場を有していたといい、蓬莱市場、大浦中央市場、大浦魚菜市場などが立ち並んでいたが、最後まで残っていた大浦中央市場が2014年ごろに閉鎖され、現在の大浦中央市場跡地はマンションの建設が終了し、静かな住宅地となっている。周囲の路地にはまだ生活感と商いの雰囲気のあるエリアが広がっており、この中に中華料理 神戸はある。
奥さんと旦那さんが二人で切り盛りされているような小さなちゃんぽん食堂である。北京の奥に神戸があり、それが長崎なのであるが、神戸の由来はなんなのかは不明である。特にこの店の人の話し言葉が関西の訛りでもなさそうであるし、どこかに神戸華僑でも関連しているのか、いまだにわからない。
中華料理としているが、その実、確かに中華料理の定食は見られるものの、表記は昭和の日本語スタイルであり、ちゃんぽん食堂とした方が、しっくりいきそうである。
中華料理 神戸のちゃんぽん
具材はキャベツ、モヤシ、ハンペン、豚肉、ゲソ、アサリ、黒木耳などである。麺は唐灰汁弱目の中平麺のちゃんぽん麺である。スープは鶏ガラベースのスープである。
ラードで炒めており、具材からの味が染み出しており、スープにも白濁したコクが出ている。具材は細めに切られており、これをよく火の通るまで、やや透明になるまで調理してあり、ふわりとする歯触りがある。これは古典的な食堂ちゃんぽんのあり方であり、麺とよく絡めて食べることが意識されている。出前をやっているためか、麺の火の通りは弱めになっている。
器は中華風の緑をベースにした極彩色の絵付けがしてあり、口の開いた碗である。
店情報
住所:長崎市相生町3-9
電話番号:0958244828
営業時間:11:00 - 18:30
定休日:月曜日 木曜日
出前もあり。