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長崎県をDynamic Nagasakiとして見つめ直します。現在おっさんがちゃんぽん食べ歩いています。乗り物、旅行、自転車、ジョギングも!

『慶華園』[2022.5.25閉店] 観光地の「華僑らしさ」【長崎でちゃんぽんを巡る】44

2022年5月25日に閉店予定となる

長崎市内でもちゃんぽん屋、ちゃんぽん食堂の閉店がチラホラと見られるようにはなってきたが、老舗の一つでもあった慶華園の閉店がSNS上で伝えられた。あとひと月ほどであるが、ゴールデンウィークの時期も相まって、今までの閑古鳥が鳴いていた風景とは一転して、多くの観光客が訪れることとなるだろう。

 
 
 
 
 
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※4月25日追記

2023年に入って、慶華園のビルは防音シートに覆われており、雑なオーラを漂わせているのが、物悲しいものである。解体後は賃貸マンションになると話もでており、完全に姉妹店に当たる翠獅庭に時代が移ったのを感じられる。

解体工事中が進む慶華園跡地

長崎新聞には、楊爾嗣氏(71)のエピソードも出ている。

楊さんは昨年5月25日まで、中島川沿いの麹屋町で「中国菜館 慶華園」を営んでいた。戦後間もない1946年に創業した父、正和さん(故人)が苦労しながら商売を広げ、看板メニューのちゃんぽん、皿うどんはもちろん、宴会場としても愛用され、多くのファンに親しまれていた。

しかし、見通しが立たないコロナ不況や50年以上踏ん張り続けた膝の悪化も相まって、悩んだ末に閉店を決断した。昨年4月27日付本紙に、「料理人の魂込めたちゃんぽん」とのタイトルで、閉店を知らせる記事と、厨房(ちゅうぼう)で豪快に中華鍋を振る自身の写真が大きく掲載された。反響はすさまじく、県内外から客が詰めかけ、最後の1カ月は目の回る忙しさだったという。

nordot.app

中島川沿いのちゃんぽん御殿

1947年に創業し、元々は八幡町にあったというが、1968年に現在の地に移転してきて、大宴会場などを備えるちゃんぽん御殿となった。さらに50周年の年、1997年に改装され、現在の城市城門風の入り口や内部が極彩色で彩られる、御殿様の建物となったようである。福建由来の楊正和氏から、現在は2代目に引き継がれており、楊爾嗣氏の店舗である。先代が四海楼に居たことは知られている。ランチパスポートなるものに掲載されているらしく、これを目当てに訪れるものが多くみられた。観光地、中島川・眼鏡橋からも近いため、観光客向けの店舗であろう。

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ちゃんぽん御殿、慶華園 ウェブサイトによると、外殻にハリボテ状に改装を施したようである

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ゴテゴテの御殿建築となっている 紫禁城様式とでも名付けようか

浦上の宝来軒と言い、こういう趣味である

ここの店では長崎湯麺が長崎ちゃんぽん、肉絲湯麺がスープうどんとなっており、ちゃんぽんの「始祖」もびっくりな訳文がついていて、大陸あたりにありそうな、場末の日式料理店のような風貌である。味がどうかというのは、そのうちリポートしたい。中華味噌ラーメンとはなんだろうか?色々と謎が多いメニューでこれだけで、5分は楽しめる。

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慶華園の麺メニュー スープうどんとはなんぞや????

ちゃんぽんストリート(長崎中華街)の楊家菜房 翠獅庭はこのオーナーの弟の店だという。

dynamic-nagasaki.com

慶華園のちゃんぽん

とにかく野菜以外の具の多いちゃんぽんである。具材はキャベツ、モヤシ、タマネギ、ニラ、黒木耳、ゲソ、イカ(本体)、アサリ、エビである。スープは鶏ガラベースで濁、そこに海産物のダシが出ている。甘さはやや甘めで、後味まで引くほどである。麺は唐灰汁弱めの丸麺であった。焼きはほとんどなく、野菜が透明になるまで火が通り、海産物や肉の臭みもなくなるほどになっている。冷凍らしいエビはまだ少し透明なところが残る程度で、火が通り過ぎている具材と通っていない食材の差が大きい。下ごしらえなどの手間をかけずに鍋を振っているだけであろう。スープと麺と具材の調理状態は火の通り具合のミスマッチがあり、どうも中華のプロのちゃんぽんとはいえない。

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慶華園のちゃんぽん

器は三爪の龍が二匹踊る、口の開いた中華風碗である。

店情報

  • 住所: 長崎市麹屋町4−7
  • 電話番号: 0958247123
  • 営業時間: 11:00 - 14:30 17:00 - 20:30
  • web: http://keikaen.net/

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