#dynamic_Nagasaki

Dynamic Nagasakiを見つめ直します。現在おっさんが意味なくちゃんぽん食べ歩いています。

【ながさきの乗り物】九州商船ジェットフォイル ぺがさす 五島航路 長崎と福江・奈良尾を結ぶ

銀翼の旅

長崎県内ではジェットフォイルが二つの路線で見られる。博多と壱岐対馬を結ぶ九州郵船のルートと長崎から福江・奈良尾を結ぶ九州商船のルートである。長崎市から五島へのアクセスはこのジェットフォイルによる運航により格段に良くなっている。

点検時には以下の写真のように水中の銀の翼が前に出ており、見ることができ、古き良きジュラルミン剥き出しの航空機のパーツを見ているような気もすることから、このジェットフォイルの旅のことを銀翼の旅と呼んでいる。

フェリーでの旅ともまた違った旅になることであろうが、どこかそっけない。

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ジェットフォイル ぺがさす

ジェットフォイル九州商船に2隻が就役しており、川崎重工製である。ジェットフォイルの技術は1974年、アメリカのボーイング社により開発され、日本では1977年に就航した。当初はボーイング929と呼ばれ、航空機の700シリーズと分けて、船舶は900シリーズとして番号が振られている。技術は1960年代を通して開発がなされ、当初は”Aqua jet”として、海上を132 ノット (毎時115 マイル/185 キロ)で走行できる水中翼船として開発が進められた。1962年に完成した初期型の試験船には”Little Squirt”と命名され、全長6mほどの小さな船舶であった。モデル520のタービンエンジンを搭載し、全没型の水中翼と自動制御システムを備えており、現在のジェットフォイルの原型となった船体である。1963年には軍用研究として開発されたFRESH-1("foil research experimental supercavitating hydrofoil")、モデル883が84ノット (毎時96 マイル/155 キロ)を記録し、グラハムベルの1919年に打ち立てた水上での記録を打ち破った。軍用への研究が先行し、哨戒艦艇として開発され、1962年に進水したHigh pointを皮切りに、1967年にTucumcari(モデル923)、1974年にPegasus(モデル928 PHM、”Patrol Hydrofoil Missileship”)と新たなクラスが開発された。

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長崎港内を高速航行するぺがさす

商用においては、1972年にジェットフォイルプログラムとして立ち上がり、Boeingシリーズで929が割り振られた。350席まで対応する最大収容人数と、45 ノット(毎時51.8 マイル/83.3 キロ)で走行可能な船体として開発された。ボーイング単体では24隻の製造にとどまり、多くは香港、日本、英国海峡、カナリー諸島(スペイン)、インドネシアサウジアラビアなどでの就航が見られた。その後、川崎重工がライセンスを取得し、1989年から日本国内で製造が開始された。香港ではマカオとの間を結ぶ便で使用されていたが、港珠澳大橋の2018年の開通と2020年からのCovid-19下での移動規制により、順次運航便数の現状が見られる。川崎重工がライセンスを引き継いだことからも、今後は日本周辺海域でのみ見られる特殊な船舶となるのかもしれない。

www.boeing.com

川崎JPS株式会社のページが各種疑問に答えてくれるだろう。

www.khi.co.jp

九州商船には2隻のジェットフォイルが在籍している。名付けられたペガサスという名前であるが、軍用哨戒艦艇の名称ペガサス級と名称が同じであることに気がついた長崎の人はいなかったのか、ドンドコ平和都市長崎らしい、怪しげな顛末もありそうな名称設定である。

ジェットフォイル ぺがさす

  • 平成2年4月1日就航                     
  • 平成2年3月6日竣工
  • 総トン数 : 163トン
  • 旅客定員 : 264名
  • 最大速力 : 45.6ノット
  • 航海速力 : 43.0ノット

ジェットフォイル ぺがさす 2

  • 平成9年2月1日就航                     
  • 平成2年10月26日竣工
  • 総トン数 : 163トン
  • 旅客定員 : 257名
  • 最大速力 : 45.6ノット
  • 航海速力 : 43.0ノット

ぺがさす 2は東日本フェリー ユニコンからの転籍である。元々、ユニコン津軽海峡を行き来していた船舶であり、これが五島灘を毎日行き来していると考えると船の由来というのも興味深い。

ぺがさすに関してであるが、Wikiなどでは、製造番号が四番とされているのである。平成2年に就航したのは事実であるようであるが、ウェブ内の情報では、製造番号は不明である。TrasmediterraneaのPrincess Dacilは4番船であるが、その後、鹿児島で就航していたロケット3号であったという情報もある。日本のWikipediaの情報は英語版のものを引き写しているだけであり、この辺りのラインは信頼できない。当ブログ内では、来歴不明の船舶ととりあえずはしておく。

https://www.trasmeships.es/los-buques/princesa-dácil/

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早朝の長崎港に停泊するペガサス

ジェットフォイル ペガサスの旅

 

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福江港の桟橋に停泊するペガサス

長崎港ターミナルを起点に、福江港との直行、奈良尾港を経由する便などが運航されており、最終目的地に合わせて便を選ぶことができる。また奈良尾港からは中通島内でのシャトルバスが運行されており、有川、青方を結んでいる。乗車には長崎港から奈良尾港までの乗船券が必要であり、原則フェリーからの下船客は利用できない。

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ジェットフォイル ぺがさすの船内

乗船してすぐに船は出港する。高速で航行する船舶であるからシートベルトの着用が指示される。さながら航空機のようなものである。船内では売店は設置されておらず、ターミナル内での購入が必要である。

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救命胴衣の装着方法の案内

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船内の給水機

ジェットフォイルは艇走、離水、翼走を経て走行する。非稼働時には水中翼を水上に揚げた状態で停泊しているが、ターンアラウンドの時間は短いため、水中翼を下げた状態で港では待機している。

乗船後すぐに船内の安全設備についてのビデオが放映される。過去に五島灘での海洋生物(大抵はクジラやイルカ)との衝突が事故として起こっているため、シートベルトの着用は必須である。スピードメーターが設置されており、長崎港内ですぐに速度をあげて出港していく。停船の方が難しいようで、長崎港入港時には時間がかかる。

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船内の安全設備の案内

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船内の安全設備の案内 シートベルトの着用が必要である

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船内の安全設備の案内 脱出口の案内である

後部に設置されているガスタービンエンジンの音は前方船室にいる限りはわからない。前部水中翼に取り付けられているフラップにより旋回するが、船体が航空機に比べて、案外大きいからか、船体中央部に座っているとこれもあまりわからない場合がある。波間を縫うように走行する場合には蛇行して走行しているのがわかる場合もある。

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各所にモニターが設置されている

 

持ち込みができないものとしては、釣竿の長尺のもの、アイスボックス(釣り用)、自転車である。折り畳みの自転車でカバーがかかっているものは持ち込める場合があるが、これも状況による。

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通常の座席にはテーブルやリクライニングが据えられている

最後に運航の精度であるが、波やうねりが5mを超える、雨風が強い際には欠航し、フェリーへの振替が行われる事がある。このため、五島での出張や旅行の際は前日の段階での地方の天気予報をチェックすると良いだろう。特に波浪や風の注意報は広範囲に知らされるため、大方の予想がつくことがある。前泊して不安な際には、五島出身者のやっているバーやスナックなどできいてみると、彼らは無意識のうちにそういう情報をチェックすることにしているのだろう、案外的を得た答えが得られることがある。

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