#dynamic_Nagasaki

長崎県をDynamic Nagasakiとして見つめ直します。現在おっさんがちゃんぽん食べ歩いています。乗り物、旅行、自転車、ジョギングも!

「ながさき」というところ その3 四季のながさき 正月 長崎のお正月

正月

長崎市内の人々はもともと長崎に居たものがおらず、脈々と受け継いできたものとしての定番の正月の迎え方は案外ないのである。大抵の商家は博多からのルーツを持ち、ここに福建などの大陸の習慣が入り込んで、独特のものを作ったとされる。それ以外のものも、島原や五島、現在の長崎市の辺縁集落からのものが多く、案外これらの家ではそのルーツを守っているものもいるのである。軍港が置かれて九州北部を中心に多様な人々が集まって作られた街、佐世保市となると、より多様なお雑煮やら正月の献立である。家々でここまで均質化しなかった正月というのも、一種珍しいのかもしれない。

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グラバー図譜カレンダーより ベニサシ
南蛮漬けが正月の料理として長崎市中では並ぶ
県庁売店などで購入可能である どこかデザインが野暮ったいのは長崎ならでは

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グラバー図譜を元に、長崎の習俗を紹介している。

1月 ベニサシ  南蛮漬け

2月 ナヌカザメ フカの湯引き

3月 トラフグ  がねだき

4月 ホシガレイ 洗い

5月 アマダイ  一夜干し

6月 ハタ

7月 ハモ    ハモしゃぶ

8月 キダイ(レンコダイ)

9月 コノシロ

10月 ボラ   からすみ

11月 アサヒガニ

12月 アンコウ

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雑煮

大分にルーツを持つバーテンダーの家では白味噌のお雑煮、島原にルーツを持つ板前のお宅では島原の具雑煮風の雑煮である。佐世保あたりであると、九州北部らしく、カシワ(鶏肉)、ブリを入れた吸い物風のものである。丸餅か焼き餅かなども家々によっては違っているが、もともとは丸餅を雑煮に入れる。2日以降、焼き餅に替えることもある。

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島原にルーツを持つお宅の雑煮 高野豆腐、カシワ、ブリが入る

初詣

長崎で氏子というと、長崎市内では各集落ごとにくんちをやる神社に対しての気持ちがある。長崎くんちに関係するエリアのものであれば、諏訪神社となるが、戸町では戸町神社、浦上では山王神社などが地域の中心となっている。これ以外にも神社は多く見られるため、伝統的にお付き合いのあるところに詣でるのである。

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戸町神社の狛犬

墓参り

墓への愛着が強い長崎市の人々の中には墓参りに出かけるものもいる。あまり多くのものがいくというのは聞かないが、一定数は松の内に墓へ行くものもいるのである。

初売り

1月2日になると、初売りが行われる。佐世保を中心に、正月の二日の早朝から行われていた。あまりに早くなりすぎて、正月からの日付の変わる頃に行われることもある。三ヶ町、四ヶ町のアーケード街では朝の4時か5時ごろから商いが始まっていた。過去形になっているのは、開始時間にばらつきが出ており、かつてのように早朝からの同時開店とは行かなくなっている。福袋などは当然にあるものであるが、15%から50%とさまざまな割引率でショッピングが楽しめるとあり、長崎市内からでも訪問者がいるほどである。

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佐世保 西沢の広告 1月1日11時からの営業であるらしい

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おんのほね

長崎市内では深堀(香焼)で見られる風習で、他のエリアであれば、大村あたりで見られる風習である。正月の飾りを燃やし、無病息災を祈るイベントである。他の地方では鬼火焚き、どんど焼きなどと呼ばれることがある。「おんのほね」というのは鬼の骨を意味しており、これは竹が爆ぜる音が鬼の骨が爆ぜる音に因んでいる。

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長崎旧正月

ランタンフェスティバルとして知られる旧正月のイベントが見られる。例年旧暦に準じた正月であるため、変動があるものの、1月下旬から2月上旬に位置している。長崎でも北風が吹き抜ける時期にあたり、旧正月の頃は一年でも最も冷え込むシーズンである。

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長崎ランタンフェスティバル 2020年、Covid-19の拡大している時期である

準備は1月中旬に行われる。市内各所でランタンの像や提灯がぶら下げられて、どこか異質な街になる期間である。Covid-19下である2022年でも通常通りの提灯の点灯は行われるとされている。オブジェ類の点灯は行わない方針であるというが、オミクロン株の急速な感染拡大もあり、今後の動向は注視しなければならないところであろう。

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徐々に準備が進められる雪洞

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浜町アーケードもランタンがぶら下げられる

 

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