#dynamic_Nagasaki

Dynamic Nagasakiを見つめ直します。現在おっさんが意味なくちゃんぽん食べ歩いています。

「ちゃんぽん」とは その1 概略と「どこがおすすめか」という問い

ちゃんぽんの概念

ちゃんぽんは難しい。そもそもの長崎で見られたちゃんぽんの概念は、各地に広がりを見せていくことで、独自に進化しており、こちらについては機会があるならば、また記載をしてみようと思う。この記事ではいわゆる「長崎ちゃんぽん」の範疇に収まる範囲でのことを述べようと思う。

長崎における『「ちゃんぽん」は炒め料理であり、煮込み料理である』に要約される。攙(chān)烹(pēng)がちゃんぽんの語源という説をとるのがあるようであるが、このうちの烹(pēng)という字義がこの要約に当てはまるだろう。ただの炒め料理でもなく、きちんと麺と具材を煮込む過程があるかどうかまた、その度合いによっても各店舗や家族の味が出てくる。

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福寿のちゃんぽん

ちゃんぽんの材料と調理方法

ちゃんぽんの材料というのは定義が難しい。スープと麺と具でもあればできてしまうためである。このため、材料として、長崎ちゃんぽんであるのに必須であるものをここではまず記載する。

ちゃんぽん麺

<必須> ちゃんぽんで使う麺は必ず、唐灰汁入りのやや灰色がかった、見栄えのあまりしないものを使う。太さやコシは各製麺所で異なるため、自分が好きなものを買えば良い。私は、長崎学の師匠の教えに従い、瑞泰號の麺が良いなと思っている。

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福寿のちゃんぽんの麺。この照りの入ったスープや麺。

この唐灰汁入りの麺というものは、煮込むほどに、スープにとろみが出て、麺ものびにくくなるという。唐灰汁は鹹水とやや異なる。鹹水には炭酸カリウムが主なのであるが、唐灰汁には炭酸カリウムに加えて炭酸ナトリウムが含まれている(四海樓の陳優継氏は炭酸水素ナトリウムと記載しているが)。唐灰汁入りの麺は通常の鹹水入りの麺とはやや異なる特性を持つ。現在、唐灰汁は中華街付近では、瑞泰號、萬泰號2社(三成號は現在閉鎖されている)により製造されている。

確かにちゃんぽんを食べる際に、私の好みでは、上部に載っている野菜を食べ、肉や魚介をつまみ、少しくスープを啜って、それから下に潜んでいる麺をいただく方法である。ややコシが残っているように思う。麺が伸びてしまっているちゃんぽん屋や中華料理屋は作り置きをしているか、そもそもの唐灰汁入りの麺を使っていないかのどちらかであろう。

www.zuitaigou.com

 唐灰汁の変遷の歴史はこちら。

shimamukwansei.hatenablog.com

その他

豪華絢爛な、中華街と言われる地区、これをこのブログでは「ちゃんぽんストリート」と呼び習わしているのだが、この地区では、ある意味何でもありである、シーフードはたいてい、冷凍食品であったり、一斗缶からスープを作っていたりしていながら、それなりの値段をとる。

大体、野菜炒めに加えて、小指の先程の牡蠣やら、シーフードミックスやら、細切れの肉(出所不明、トリかブタ)が具になるのが多い。後に紹介する中華軽食 三八あたりの牡蠣の入っている様は一種病みつきである。

スープは、ラーメンが好きな人々がこだわり尽くして、トリがいい、豚骨がいいというのだが、私はパイタン系のものが好きなように思う。ただ、ここに拘ってもあくまで、ちゃんぽんの一部しか見ていないことになるため、こだわりすぎるのも禁物である。

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中華食堂 三八のちゃんぽん。茶色いスープで小さな牡蠣が入っている。

家庭の味

家庭で作ることを考えると、スープにしても、具材にしても、好ましいや長崎らしいものというものはあるが、これがないとちゃんぽんでないというのはない。「はんぺん」という怪しげなピンクと緑のカンボコ(長崎では蒲鉾をカンボコという)や冴えない灰色のすり身の揚げかんぼこを入れないとというが、自宅で作るのに、そんなものは常備していないわけで、前日の残りや冷蔵庫の有り合わせて適当に作るものである。スープはパックでなぜか、卵置き場などに転がっているものである。

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瑞泰號のレシピ。家庭で簡単に作れば良いのです。

瑞泰號製麺所

「ちゃんぽんはどこがおすすめですか」は長崎で訊いても意味がない。

ちゃんぽんを一層難しい物にしているのは、好みの問題がある。具材なんていうのはマトリックスの一部にすぎず、載っている野菜の切り方がどうか、歯応えがどうか、スープの併せ方がどうか、麺はどこの製麺所かというのは一種こだわりなのだが、あの店のおじさんが、おばさんが鍋を振ったのが好きとかいう方もいるようで、相当な強いこだわりがあるようである。

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久梅園。駅前の三角形の不思議な土地でやっているちゃんぽん食堂

観光でやってきて「ちゃんぽんはどこがおすすめですか」と観光客らしい、間の抜けた質問を繰り広げているのをよく聞くが、結局は、家庭で代々続く好みの問題であるオススメを誰かに頼ろうなどというのは、長崎の人たちを困らせるだけだろう。複雑怪奇に絡まった、こだわりのマトリックスを紐解くのがある意味長崎観光の醍醐味の一つであると思っている。

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大波止の三角亭のちゃんぽん ここのはスープが灰色である。

長崎を来訪して、試して欲しいのは、なんて事もない、公務員のおじさんや銀行のおばさん、保険会社のお姉さんや造船所帰りのお兄さんが出入りしていそうな、町の食堂のちゃんぽん屋である。常連客の内容は定かではないが、昔からの、長崎人が思い描くちゃんぽんはだいたいこういうところにある。地区で行くと、長崎県庁が置かれていた、長崎の岡から下った、大波止長崎駅周辺(この辺りはかなり数が減った)が良いだろう。

「ちゃんぽんはどこのが好きですか」とでも訊いておいた方が無難である。

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