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「長崎のヘソ」大村
大村では、親戚宅か空港かの用事程度で特に何かをするということはなかった。常に通過点であるが、「長崎のヘソ」と私は呼んでいる。大村領の頃より長い歴史がある。2年後に開通する新幹線、空港、高速道路が通る交通の要衝となり、諫早にかけて割合平坦なエリアで経済の中心となれる大きなポテンシャルがある(県は関係ない顔をしているが)。
大村のソウルフード大村寿司
大村の土産は大村寿司、長崎の空弁も大村寿司、家庭でも作る大村寿司。ということで、その2軒目である。それぞれの家にある、「○○といえばあすこ」で、我が家ではこのあをばの大村寿司が定番であった。親戚宅に伺って、帰ろうとするころにバイクの音がして、届けられてそのままお土産になっていた。黄色の地に黒で描かれたあをばのロゴ、Boeing 727(!)、菖蒲などが一目でそれとわかるものだった。セブンツーセブンは旧大村飛行場の時代には就航していたはずだから、その頃からの昭和の上り調子がまだ社会のどこかに残っていた。この間まで、長崎空港開港時に就航した、L-1011だと思っていたが、そうではなかったようだ。
大村市中心部には商店街には昔ながらの豆の問屋や時計屋が並び、マンション群も建てられてきた。ひっそりとあをばは営業していた。
古いおもちゃで溢れた店内は和食レストランという風情で、おそらく女将さんが一人で切り盛りしているのだろう。外にはあのあをばのロゴの原動機付き自転車が止まっている。商店街の各店舗が、昭和あたりから時が止まっているのは、佐世保市を除いて、長崎市を始め長崎県内の地方都市ではよくあることである。
あをばの大村寿司
あをばうどんと共に大村寿司をいただく。なんの変哲もないうどんであるが、ややうどんの出汁は甘めである。
下から一層目に海苔が引いてあり、また酢飯の後、上に緑の蒲鉾(昔はピンクの蒲鉾も混在していた)、甘辛く煮付けた椎茸を刻んだ物が載り、見えなくなるくらい、甘い錦糸卵が載っている。以前は彩りがなんとも綺麗な物であった。酢飯は甘く、錦糸卵も甘い、長崎の食でも華やかな一品はまだ健在だった。押し寿司らしく、少しくご飯が潰れるくらいに押してあるのもなんだか古風な様相でまた懐かしい。
店情報
住所: 長崎県大村市本町456
電話番号: 0957-54-1122
営業時間: 11:00 - 19:00
定休日: 水曜日
支払い: 現金